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農業研究試料の非破壊放射化分析法および放射化焦点クロマト定量分析法について
渋谷 政夫
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1964 年 13 巻 1 号 p. 39-45

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抄録

本研究は日常の農業研究に使用し得る放射化分析法を確立するために行なったもので, 作物体中の微量金属成分の系統的非破壊放射化分析および作物, 土壌中の個々の希土類元素を分離定量する放射化焦点クロマトグラフィによる放射化分析法を研究した。すなわち, 非破壊法については水稲茎葉100mgを用い, 化学分離操作を省いた中性子照射とγ-ray spectrometryのみを用い, Mn, Na, Cu, Zn, Sbを同一試料を用いて逐次分析する系統的非破壊法を確立した。また, 作物・土壌中の希土類元素を分離定量するため, 焦点クロマトグラフィと放射化分析法とを組み合わせて放射化焦点クロマトグラフィを確立した。この方法は分離が10分以内にでき容易に定量することができた。この方法により4種の土壌およびその土壌に正常に生育した水稲茎葉中の希土類元素を分析した結果, Laがもっとも多くSm, Euの順に含まれ, Tb, Tm, Ybはきわめて微量であった。

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