1964 年 13 巻 6 号 p. 465-471
放射線厚さ計は被測定物の放射線減弱特性が基礎となる。この報告では放射線源として90Sr+90Yを用い, 金属6種, 非金属6種について減弱曲線を求めた。検出器は螢光法によるものと空気電離箱の2種を用いた。結果を要約すると最大飛程以下では幾何学的条件が減弱曲線の形に大きな影響を及ぼした。とくにβ線の照射野がせまいときこの影響が大きい。物質の種類によっても減弱曲線は変わり, 原子番号の大きいほど減弱も大きい。これらの現象はβ線の散乱によるものである。最大飛程またはそれ以上の厚さでは2次X線の影響が, 螢光法による測定では著明であった。