1965 年 14 巻 1 号 p. 8-12
中性子放射化法による高純度アルミニウム中のいくつかの不純物元素の系統的分析法についてはすでに発表したが, ここではアルミニウム中のウランの定量について検討した。238Uの (n, γ) 反応によって生成される239Uの壊変による239Npを0.5M塩酸溶液から0.15M TTAベンゼン溶液に抽出することによって, 比較的簡単に分離測定することができた。熱中性子束密度1.7×1012n/cm2・secで30時間照射し, 高純度アルミニウム中の0.1~0.2ppmのウランを定量した。本法によればU, Pu, Paの妨害は無視することができ, Scはこの条件では抽出率3%以下なのでほとんど妨害にならなかった。