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γ線照射による食品の保蔵と栄養成分の変化に関する研究第6報甘藷について
岡上 誠子福谷 マツヱ杉原 瑞穂橋田 勲
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1965 年 14 巻 2 号 p. 103-110

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抄録

掘出し直後と植付け直前の甘藷に60Co-γを0.25~150.0×104r照射して4~9ヵ月間保蔵し, 外観発芽状態, 食味および栄養成分の変化を追跡し, さらに照射時期の違いによる効果を比較した。照射直後20.0×104r以上では褐色斑を認めた。保蔵による外観は1.2×104rまでは対照よりすぐれていた。発芽抑制効果は植付前のほうが掘出し後より幾分大きかった。食味は直後では5.0×104rまで, 4ヵ, 月後では1.2×104rまで良好であった。水分V・B1およびV・B2は20.0×104rまで, 還元型ビタミンCは5.0×104rまで照射による影響は認めらぬかった。したがって, 甘藷の保蔵には1.2~2.0×104r程度の照射が適当であり, 植付前に行なうほうが有効である。

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