1965 年 14 巻 2 号 p. 89-92
空気または窒素とともに密封した大豆に60Co-γ線を0.05~100.0×104r照射して室温で約1年半保蔵し, その外観を観察し, 食味試験を行ない, 水分と脂肪成分の変化を測定し, さらに脱脂大豆のV・B2を定量して, それらと照射線量との関係を吟味し, 最適線量の領域を求めた。保蔵経過中, かびの発生は10.0×104r以上で抑制され, 外観も良好であったが, 1.0×104r程度ではかえって助長された。窒素中では1.0×104rで良好な保蔵効果を得た。煮熟状態, 食味および脂肪成分はそれぞれ照射によりほとんど変化しなかった。したがって最適線量は10.0×104r程度であり, 窒素中ではさらに低線量でも良好な結果が得られる。