1965 年 14 巻 5 号 p. 400-405
著者らは心臓ホルモンの研究において, 有効物質の1つとしてanserine (β-alanyl-1-methylhistidine) を証明し, 以後β-alanineの誘導体など種々の検討を加えてきた。今回はanserineおよびcarnosine (β-alanylhistidine) の分別定量法を確立するとともに, 体外から与えたβ-alanineが直接anserine, carnosineへ生合成されうるか, またその場合臓器特異性があるか否かを検討してみた。その結果, anserineおよびCarnosineは体外から与えたβ-alanineから生合成されうることを認め, さらに副腎, 前立腺においては取り込まれたβ-alanineがほとんどanserine, carnosineになっていることを証明した。