1965 年 14 巻 6 号 p. 498-503
本実験は生後10日前後の幼若マウスに14C-amino acidを腹腔内注射し, その体内移行を動物全身の薄切切片についてオートラジオグラフィの手法を用いて検討したものである。用いた14C-amino acidは14C-glycine, 14C-isoleucine, 14C-aspartic acidおよび14C-glutamic acidの5種であるが14C-glycine, 14C-isoleucine, 14C-valineが投与後7時間で全身的な放射能活性が最高となり, そのまま96時間以後まで活性が持続するのに対し, 14C-aspartic acidおよび14C-glutamic acidはそれぞれ3時間目, 24時間目に最高の活性を示したのち次第に放射能活性が消失し, 96時間以後はきわめて軽度となる。また, 14C-aspartic acid, 14C-glutamic acid投与の場合は, その初期において骨格部位に特異的に放射能活性がみとめられる。