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Streptomycin耐性結核菌と感性菌のStreptomycin Uptakeの差異についての―知見
豊原 希一重松 昭世
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1966 年 15 巻 6 号 p. 340-345

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抄録

INH耐性結核菌は感性菌に比しINHのuptakeが著しく少ないことは14C-INHを用いての実験からすでによく知られており, このことからINH耐性菌はINHの細胞壁透過性が低下していることが推論されている。しかしSM耐性結核菌と感性菌の間にSMのuptakeに差があるか否かについては何らの知見もない。そこで3H標識SM (SM-Tと略) を製造し種々なる実験条件を設定しSM-TのuptakeがSM耐性菌と感性菌で異なるか否かを検討した。その結果, 耐性菌は感性菌に比しややSM uptakeが少ないがSMと接触早期に耐性菌も感性菌もともに多量のSMのuptakeがみられ, 耐性菌のSMに対する細胞壁透過性がとくに低下しているとは考えられなかった。したがってSM耐性結核菌の耐性機構はINH耐性結核菌のそれとは異なったものがあると思われる。

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