1968 年 17 巻 11 号 p. 529-532
64Cuを用い家兎肝細胞の核画分, ミトコンドリヤ画分, ミクロゾーム画分, 上澄の64Cu取込み量の経時的変化, 窒素量あたりの取込み量の測定, 血漿中64Cu濃度との比較を行なった。1) 注射12時間後のミトコソドリヤ画分に最も高い64Cuの取込みがみられ, N量あたりの取込みも最大であった。2) 各画分の取込み量は注射後12時間で最大となるが, 上澄は24時間まで増加する。3) 注射24時間後では肝細胞中64Cuの69%は上澄にみられた。以上12時間~24時間にかけて各画分より上澄に64Cuの移動と考えられる所見がみられるが, これは肝細胞タンパク合成の場における銅の働きを示すものであろう。