RADIOISOTOPES
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全身オートラジオグラフィによる放射性化合物の生体内分布に関する研究 (第13報)
3H-1- (3, 4, 5-trimethoxybenzyl) -6, 7-dihydroxy-1, 2, 3, 4-tetrahydroisoquinolineの生体内分布
高橋 忠男佐藤 善重
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1968 年 17 巻 8 号 p. 374-381

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抄録

新しい気管支拡張薬であるl-1- (3, 4, 5-trimethoxybenzy1) -6, 7-dihydroxy-1, 2, 3, 4-tetrahydroisoquinoline (AQL-208) ならびにその光学異性体 (d体およびdl体) をトリチウムで標識し, これを雄マウス, 妊娠マウスおよび雄ラットの尾静脈内に注射したのち, 凍結全身オートラジオグラフィによって体内分布を検討した。雄マウスにおける放射能活性の分布は静注10分後, 中枢神経系を除く肝臓, 腎臓, 肺臓, 唾液腺, 筋肉にみられた。また, 気管および気管支の活性は筋肉, 肺臓のそれと同じ程度であった。一方, 特徴ある取込み部位として脳下垂体, 副腎髄質に著明な活性が認められた。全身的な放射能活性は静注60分後より急速に減少し, これに対して胆管を介して排泄された放射能活性が腸管内腔に顕著に観察され, 経時的に盲大腸部に移行した。光学異性体間の分布差異はみられず脳下垂体, 副腎髄質への取込みおよび胆管からの排泄はいずれのオートラジオグラフィにおいても共通して認められた。妊娠マウスにおける3H-AQL-208のオートラジオグラムは, 静注30分後の胎盤の活性と親の血中のそれがほぼ等しく, 親の肝臓および腎臓の活性より低かった。胎児の各臓器の活性はさらに低く, 静注3時間後は胎児への蓄積はほとんど認められなかった。なお, マウスとラットの動物種差による分布差異はみられなかった。

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