RADIOISOTOPES
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全身オートラジオグラティによる放射性化合物の生体内分布に関する研究 (第19報)
マウス, ラット, ニワトリにおける35S-bis- (3, 5-dichloro-2-hydroxyphenyl) sulfoxideの分布
高橋 忠男吉川 正美佐藤 善重
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1969 年 18 巻 12 号 p. 552-558

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抄録

マウス, ラットおよびニワトリにおける35S-bis- (3, 5-dichloro-2-hydroxypheny1) sulfoxide (35S-Bitin-S) の分布を, 全身オートラジオグラフィならびにカウンティング法によって研究した。
雄マウスにおける全身オートラジオグラフィから, 血液, 肝臓, 肺臓, 結合組織には著明な放射能が認められた。これらの組織中の放射能は6時間で最高レベルに達し, そののち徐々に減少した。中枢神経系, 膵臓, 脾臓, 胸腺, ブラウンファット, 睾丸および内分泌系の放射能の取込みは少なかった。35S-Bitin-Sまたはその代謝物は胎盤を通り, 胎児の組織に取り込まれたが, その放射能濃度は母体のそれよりも低かった。ラットとニワトリのオートラジォグラフィ的分布のパターンはマウスの場合と同様であった。
35S-Bitin-Sの結紮腸管による吸収は4時間で投与量のおよそ70%が吸収された。
経口投与後のラット組織中の35S-Bitin-Sの濃度はPlasmaが最も高く, ついで肝臓と肺臓に高く, 脳は最も低かった。

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© 社団法人 日本アイソトープ協会
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