ラットに経気道投与された131I-ヨウ化メチルの代謝と131I-イオンの代謝の相違を追求し, あわせて薬剤による131I-ヨウ化メチルの被曝防御, あるいは軽減の可能性を検討した。
すなわち, 131I-ヨウ化メチルの気管内投与群とNa131Iの静脈内投与群の甲状腺131I摂取率, 甲状腺外組織残留量, 甲状腺中131Iの生物学的半減期, 組織内131I分布, 甲状腺ヨウドアミノ酸組成を比較検討したところ, 吸入された131I-ヨウ化メチルは生体内で無機ヨウ素とほとんど同様の代謝経路をとることが推測された。
また131I-ヨウ化メチルの甲状腺あるいは全身に対する負荷はNaI, KClO4などの薬剤投与によって大幅に軽減できることが判明した。