RADIOISOTOPES
Online ISSN : 1884-4111
Print ISSN : 0033-8303
ISSN-L : 0033-8303
α-ケトグルタル酸とアンモニア混合水溶液のγ線照によるグルタミン酸の生成
増田 喜美子頼 登漢品川 睦明
著者情報
ジャーナル フリー

1969 年 18 巻 9 号 p. 350-353

詳細
抄録

α-ケトグルタル酸とアンモニアの混合水溶液にγ線を照射し, 照射試料を電気泳動法およびアミノ酸自動分析計で分析したところ, グルタミン酸を検出したので, 比色法により定量をおこなった。
その結果グルタミン酸の生成量は, 照射線量とα-ケトグルタル酸やアンモニアの濃度により異なり, α-ケトグルタル酸0.05M, アンモニア2Mの試料については3MRの照射でグルタミン酸の生成量は4×10-3Mに達した。7×105R/hrと1.4×106R/hrの線量率の変化に対しては生成量に大差ない。照射温度を-196℃から50℃まで変えてもグルタミン酸の生成量に著しい変化はみられない。この反応機構としては, 水の放射線分解で生成したラジカルの作用により, α-ケトグルタル酸が還元的にアミノ化されたものと考えられるが, イオン分子反応も関与しているものと思われる。

著者関連情報
© 社団法人 日本アイソトープ協会
前の記事 次の記事
feedback
Top