1968年九州北部で発生した食用油中毒「油症」の本体であるクロロビフェニル (カネクロール) の動物体内における分布, 代謝および排泄などを検討するために必要なラベル化合物の合成を行なった。
まず2-, 3-および4-プロモビフェニルをアルカリおよびPd-black存在下T2で還元するかまたTHF中Grignard試薬を作りTHOで分解してそれぞれ対応するビフェニルー3Hを合成した。ピフェニル-3Hの3異性体はFeCl3存在下Cl2ガスでクロル化を行ない屈折率を調べながらカネクロール400に相当するところで反応を止め減圧蒸留で精製する。得られたカネクロール-3Hの放射化学的純度はラジォガスクロマトグラフィで調ベトレーサー実験に十分役立つものであることを確認した。