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ランタナイド元素のがんおよび臓器親和性 (II)
安東 醇久田 欣一
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1972 年 21 巻 11 号 p. 648-653

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抄録

169Yb, 170Tmのがんおよび臓器親和性を担吉田肉腫結節ラットで実験した。腫瘍への取込率では0.7~1.1%/gであり67Gaとほぼ同値であった。静注24時間後の腫瘍/筋肉―比は169Yb, 170Tmの24~52, 同じく腫瘍/血液―比は169Yb, 170Tmの43~57と非常に大きかった。同じく腫瘍/骨―比は67Gaの0.6~0.7に対し, 169Yb, 170Tmは0.4~0.3と小さかった。169Yb, 170Tmの腫瘍/肝臓―比は67Gaより大きく, 腫瘍/腎臓―比は67Gaより小さかった。また169Ybは炎症へも強い親和性を示した。169Yb, 170Tmは67Gaと同様に体内で無機イオンとなるもので, 担体の少ないときに強いがん親和性を示した。169Yb, 170Tmは基本的には67Gaと類似していたが, 血液中から速やかに骨に移行する点が異なっていた。

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