RADIOISOTOPES
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169Yb-DTPAによる腎糸球体ロ過値の測定
上田 正山三木 誠町田 豊平南 武三浦 義幸山田 裕史田中 彰浦久保 五郎
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1972 年 21 巻 9 号 p. 566-573

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抄録

169Yb-DTPAのGFR測定用試薬としての有用性を検索するため, 基礎実験を行ない, 臨床的検討を行なったので報告する。
【169】Yb-DTPAの検索にはPPC, TLCを用い, 展開溶媒として, 展開時間の速いこと, 適当なRf値, 分離能の良い点などから50%水性アセトン (acetone: H2O=1: 1) を使用した。その結果169Yb-DTPAは血漿タンパクと結合せず, 体内で分解されず, 迅速に尿中へ排泄された。しかしラットにおいて169Yb-DTPA静注後, 30日目で約2%が残留しており, その分布は骨, 肝に多く認められた。
健康人4名を含む23名に対して, 169Yb-DTPAとチオ硫酸ソーダによるGFRを測定し, 相関係数は0.98で, 臨床的に十分利用できることが確認された。

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