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放射性ヨウ化安息香酸のシロネズミにおける代謝研究
安東 醇久田 欣一安東 逸子
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1973 年 22 巻 11 号 p. 632-637

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抄録

肝機能検査薬の開発の目的でo-ヨウ化安息香酸-131I (o-*IBA) の正常ラットおよび四塩化炭素肝障害ラットの代謝を検討した。種々の量のo-*IBAを静注し, 主要臓器および尿中排出物を検討した結果, 投与量の多い場合に障害群の血液, 肝臓, 腎臓にやや取込みの増大を認めた。尿中総排出率は投与量の少ないとき差がないが, 多いと障害群で減少した。尿中排出物はo-ヨウ化馬尿酸 (o-*IHA) , o-iodobenzoyl glucuronic acid (o-*IBGA) , o-*IBAからなり, o-*IHAの排出率は両群間に差はなく, o-*IBGAは障害群で減少した。o-*IBAの多量投与ではo-*IHAの排出率が減少するが, グリシンの同時投与で増大した。以上よりo-*IBAはグルクロン酸抱合能力試験には有効と思われる。

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