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Thyopac-4法による血中Thyroxine濃度およびThyopac Free T4 Indexの臨床的評価
森 徹高坂 唯子浜田 哲竹田 洋祐池窪 勝治鳥塚 莞爾
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1973 年 22 巻 4 号 p. 170-177

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抄録

Thyopac-4法を基礎的および臨床的に検討を行なった結果を報告する。本法では特殊吸着顆粒を用いるのでT4に対するirreversibleな結合がなく30分間のインキュベーションで平衡が得られ, 温度の影響も少なかった。キット間の測定値の変動は1.61%, 患者血清11検体における任意2回測定値は最大0.9μg/100mlの変動であった。標準曲線の直線性は0~18.2μg/100mlの各種標準T4血清を用いて確認した。さらに本法では標準T4として乾燥血清を用いているので抽出率の補正を要しない。80例の臨床成績では正常者 (35例) 8.8±2.2μg/100ml, 亢進症 (20例) 18.6±2.7μg/100ml, 低下症 (19例) 3.9±1.9μg/100mlであった。テトラソルブ法との間には高い相関 (r=+0.89) が認められた。Thyopac-3と組み合わせて求められるThyopac free T4index (Thyo-pac-4/Thyopac-3より) について, 著者らがさきに報告したトリオソルブとテトラソルブを用いて求められるfree T4index (T3RU×T4/1-0.6T3RU) とともに検討を加えたが, 前者の式にTBPAの要素を考慮した若干の改良が望まれた。以上のごとくThyopac-4法による血中T4測定は簡便化, 合理化が行なわれており, きわめて有用なルチン検査法である。

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