1973 年 22 巻 5 号 p. 239-242
ベンジルチオシアネート (BTC) およびベンジルイソチオシアネート (BIT) のγ線照射による影響をガスクロマトグラフィおよびマススペクトロメトリーで検討した。その結果, BTCの減少率は1.1×108rad, 2.0×108rad, 3.1×108radでそれぞれ8.8%, 17.4%, 29.3%であり, BITでは同様に4.7%, 12.1%, 16.2%であった。γ線による異性化はBTCおよびBIT両者ともに見られ, 3.1×108radにおける異性化率はBTCからBITへ8.3%, BITからBTCへ1.7%であった。その他の分解物としてはBTCおよびBITいずれの場合にもベンゼン, トルエン, ベンジルメルカプタン, ベンジルシアニド, ジベンジル, ジベンジルスルフィド, ジベンジルジスルフィドを検出した。さらに上記の分解, 異性化の他に3量体の生成も見られた。