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放射化分析による赤血球寿命の測定
秋庭 弘道内山 暁筧 弘毅
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1974 年 23 巻 8 号 p. 455-458

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抄録

従来の赤血球寿命の測定は, 患者に放射性核種51Crで標識した赤血球を投与するので患者に多少なりとも放射線被曝を与える。本法は安定同位元素の50Crで標識した赤血球を患者に投与し, 測定前に放射化50Cr (n, γ) 51Cr反応で51CrとしたものをGe (Li) 半導体検出器で測定する。したがって患者への被曝はまったくなく, 妊婦や小児についても安心して施行することができる。半導体検出器を使用するため妨害核種を取り除く化学操作を必要としないため51Crの逸失がないので精度も向上する。臨床例7例について行ない, うち1例は溶血性貧血, 1例はバンチ症候群であり, 残り5例は対照群である。溶血性貧血症例の赤血球寿命は13日, 10才のバンチ症候群患者は27日, 対照群5例は24日~29日であり, この値は51Cr標識法の値とよく一致した。

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