1975 年 24 巻 1 号 p. 49-54
核医学診療でRIを含むシリンジを取り扱う術者の手指の組織内放射線被曝を計算により評価した。手指の表面線量については多くの報告をみるが, 皮膚表面下数mmに存在する汗腺などの被曝量を知ることはできない。1mlおよび5mlが1mCiである線源が手指と接した場合, 手指の2つの断面の線量分布を計算により求めた。使用した核種は99mTc, 131I, 203Hg, 198Auおよび59Feの5核種である。線源に接する部分と反対側の射出線量をTLDで実測し計算値と比較した。両者は30%以内で一致をみた。また皮膚表面下数mmの点の吸収線量は表面線量の50%もしくはそれ以上になることもわかった。