1975 年 24 巻 12 号 p. 851-856
放射能濃度の絶対測定における均一で自己吸収の少ないβ線源作成法を研究した。線源の作成は, アルミニウム蒸着線源支持膜を用いて行ない, この上に, 放射性核種の溶液を滴下し, いったん赤外線ランプで乾燥したのち, 蒸留水で再溶解しアンモニア雰囲気中で乾燥した。この方法で線源の均一化は, 作成過程で生ずるアルミニウム化合物の微粒子の働きで行なわれた。作成した線源試料の均一性の評価は, 顕微鏡写真, オートラジオグラムを用いて行なった。また, 自己吸収量は, 46Sc, 60Co, 203Hgの3つの核種で試料を作成し, 4πβ-γ同時計数法により測定した。この結果, おのおのの核種で沈殿法, コロイダルシリカ処理法と同程度の値が得られた。