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99mTc-EDTAによる腎シンチフォトの臨床的検討
99mTc-DTPA, 131I-Hippuranと対比して
石橋 晃石井 勝巳依田 一重橋本 省三
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1975 年 24 巻 5 号 p. 332-339

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抄録

臨床例35例につき, 99mTc-EDTAを用いて腎シンチフォトを行ない, 99mTc-DTPAおよび131I-hippuranのそれと比較した。正常例では, もっとも排泄の遅い99mTc-EDTAが, 腎実質像および腎盂像をよく描出する。しかも, 短半減期である99mTc標識化合物であり2~4mCiという十分な投与量が可能で, 血管相の連続像が撮れる利点がある。したがって腎梗塞などの阻血部分の明瞭な描出ができる。しかし, 移植腎のごく軽度の拒絶反応や, 同程度の腎実質障害を調べるには, EDTAおよびDTPAによる腎の動態検査ではこの微妙な変化を捕えにくく, この点では131I-hippuranのほうが優れている。閉塞性腎疾患では, 上記3試薬の間に著明な相違は見出せなかった。

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