1975 年 24 巻 6 号 p. 416-422
最近, 腫瘍スキャン用放射性医薬品の1つとして注目されている57Co-ブレオマイシンの臨床的意義を調ベるために, われわれは, 昭和48年1月より同年9月までの間の大阪府立成人病センター入院患者のうち, 肺がんを中心とした悪性腫瘍および良性病変を含む40例に57Co-ブレオマイシン500μCi静注, 6時間および24時間後に3インチスキャナーを用いて腫瘍スキャンを行なった。悪性腫瘍36例中陽性像の得られたのは20例 (55.6%) , このうちもっとも高率に陽性像を示したのは肺がんで20例中17例 (85%) , ついで乳がんでは6例中3例に陽性像が得られた。腫瘍の摘出された肺がんおよび乳がん例についてみると, この方法で検出され得た最小の腫瘍は直径2cmの肺がんおよび3.2cmの乳がんであった。