1975 年 24 巻 7 号 p. 479-485
Phadebas B12キットによる血清ビタミンB12値測定の諸問題について検討した。測定値のバラツキを起こす原因を検索すると, 洗浄による57Co-B12のセファデックス・内因子複合体よりの溶出はない。標準曲線においては各kitのゼロ試料放射能の全放射能に対する百分率は±9.2%の標準偏差であった。このパラツキは各B12濃度試料のB/T比でも同程度であった。実際の測定にあたっては, 試料抽出液1mlを用いるより0.5mlを用いるほうが, B12値がとくに低い場合以外はよいように考えられる。本法の再現性, 回収率は優秀な成績を示した。従って本法は血清ビタミンB12値測定法として, 各種疾患の診断について重要な意義を有するものである。