最近開発された, データプロセッサー装置付全身スキャンナーを用いて, 全身骨シンチスキャン像を記録し, 平面スキャン像と鳥かん図表示像を作成し, 臨床例で検討を行なった。すなわち対象例として, 正常, 骨軟化症, 前立腺がんおよび乳がんの骨転移症例を選んだ。
結論として, 鳥かん図表示スキャン像は, 平面スキャン像に比し, 放射能分布の濃度を, フィルム黒化度濃淡の代わりに, ピークの高さによって表現するので, それ以上の操作を加えることなく, 各部位の放射能分布を容易に定量的, あるいは半定量的に知ることを可能にする利点を有している。
異常部位の発見性そのものについての感度が平面スキャン像より優れているかどうかは, なお検討の要があるが, 異常部位の放射能蓄積程度を知るためには, 上述の理由で優れていると思われる。