1976 年 25 巻 5 号 p. 260-264
畑, 水田土壌の226Raおよび210Pbを定量した結果, 乾燥土壌1gあたりそれぞれ平均で0.79pCiおよび1.56pCiを含み, 210Pbの含量は226Raの含量に比べて約2倍の高い値を示すことを知った。
土壌中の210Pb含量の多い原因の一つは, 雨水中に含まれる210Pbが降水時に土壌に吸着されると考えられるから, 年間降水量と土壌中の210Pb含量の関係を, 土壌が降水中の210Pbを吸着するとして検討した。
その結果, 土壌中の210Pbの一部は中国大陸などの岩石土壌から発生した222Rnが, 大気中で210Pbとなり, 雨水とともに日本各地に降下して, 土壌に蓄積したものと推定された。