1977 年 26 巻 1 号 p. 13-18
169Yb, 67Ga, 111Inの腫瘍組織内分布を調べるため, 169Yb-citrate, 67Ga-citrate, 111In-citrateを吉田肉腫結節をもったラットおよびエールリッヒがんをもったマウスに投与して投与3, 24, 48時間後の腫瘍結節内分布をマクロオートラジオグラフ法ならびに組織学的方法で観察したところ, 腫瘍の種類, 投与後の時間によらず3元素とも腫瘍細胞の生きている部位に多く取り込まれており, 壊死部にはほとんど取り込まれていなかった。3元素のうち, 67Ga, 111Inは腫瘍細胞の生きている部位に一様にほぼ均等に取り込まれていたが, 169Ybは腫瘍細胞の生きている部位と壊死部の境界付近が多く, 取込みは肉眼的には粒子状にみえるものが相当にあり, 67Ga, 111Inとはやや異なる性質を示した。