1977 年 26 巻 11 号 p. 761-766
従来, α線厚さ計の対象としては均一度のよい薄膜のみが取り上げられ, 吸収曲線の平行移動が重要な条件であった。そのため微粒子の集合としての薄膜の場合には平行移動性が, かならずしも満たされず, 平均飛程における移動量よりその平均膜厚を求めるさいには正確な値は得られず誤差の大きなものとして取り扱われてきた。ここでは吸収曲線が形状変化を生ずる場合について考察し, 微粒子が存在する場合の吸収曲線を計算により導出した。さらに, この微粒子模型により, 不均一薄膜の平均膜厚およびその不均一度測定の可能性についても議論した。