RADIOISOTOPES
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陽電子消滅γ線エネルギースペクトル測定のデータ処理による高分解能化
岡田 漱平伊藤 泰男田畑 米穂
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1977 年 26 巻 3 号 p. 139-145

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抄録

半導体検出器を用いた陽電子消滅γ線エネルギースペクトル測定法は, 消滅対の運動量分布に関する情報を与えてくれる簡便な方法として注目されてきているが, 分解能が劣り, 測定系のドリフトの影響を直接受ける等の問題点がある。われわれは, 測定室の温度制御やスタビライザの利用等を行ったうえで, データ処理の段階で補償を行うことにより, ドリフトの影響を無視できるほどに抑えることができた。さらに, データをディコンボリューション処理することにより, これまで分離できなかった狭い成分を分離できる程度に分解能を向上させることができた。以上の処理によって得られた分解能は半値幅で0.43keVで, 従来のものより2~3倍向上している。

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