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細胞分画法による169Yb, 111Inの腫瘍および肝臓内分布の研究
安東 醇竹下 正純安東 逸子平木 辰之助久田 欣一
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1977 年 26 巻 3 号 p. 169-174

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抄録

67Gaの悪性腫瘍への集積にはライソゾームが重要な働きをしていないことはさきに報告した。今回, 悪性腫瘍に対して67Gaとよく類似した性質を示す169Yb, 111Inを担吉田肉腫結節ラット, 担エールリッヒがんマウスおよび担肝がんAH109Aラットに投与後Hogeboom and Schneider法に準じて細胞分画して, 169Yb, 111Inの細胞内分布を調べたところ, 169Yb, 111Inは吉田肉腫とエールリッヒがんではライソゾームに集積せず, 肝臓ではライソゾームを含む画分に相当量集積した。これらの結果は67Gaの場合ときわめてよく類似していた。このような事実から一般の悪性腫瘍への169Yb, 111Inの取込みにはライソゾームは重要な役割をしていないが, 肝臓への取込みではライソゾームは重要な働きをしており, 肝がんでは肝臓の性質を残しているために, ライソゾームがかなり重要な働きをしていると推定できた。

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