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水溶液中におけるベンジルアルコールの放射線分解
池淵 秀治城戸 靖雅浦久保 五郎
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1977 年 26 巻 7 号 p. 451-457

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抄録

放射性医薬品中に含まれるベンジルアルコールの変化を推定するために, 0.05%ベンジルアルコールの水溶液に60Coγ線を1×104radから7×105radの範囲の線量で照射し, 水溶液中におけるベンジルアルコールの放射線分解について検討した。
酸素あるいは窒素置換した水溶液にγ線1~7×105radの照射線量において, ベンジルアルコールは照射線量に依存し減少した。ベンジルアルコールの残留率は照射線量との間にほぼ直線関係が成り立ち, この関係から, ベンジルアルコールのG (-M) 値を計算し, 得たG (-M) 値は酸素溶存下で2.34, 酸素が溶存しない場合1.92であった。酸素溶存下でのベンジルアルコールの放射線分解物はおもにベンズアルデヒドであり, そのG (M) 値は0.87であった。酸素の溶存しない場合, 放射線分解物はおもにPhCH2とPhCHOHのラジカル反応による生成物と思われるジベンジル, ベンジルフェニルカルビノールおよびヒドロベンゾインであり, ベンズアルデヒドの生成量は微量であった。ベンジルアルコールのo-, p-水酸化物は溶存酸素に関係なく生成を認めたが, ごく少量であった。

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