RADIOISOTOPES
Online ISSN : 1884-4111
Print ISSN : 0033-8303
ISSN-L : 0033-8303
トレーサー法によるPhenylalanine代謝研究
―L-Phenylalanine〔arom.-d5〕の合成, 物理化学的性質およびトレーサー実験のための基礎研究―
徳久 幸子吉川 春寿市原 成泰馬場 茂雄
著者情報
ジャーナル フリー

1977 年 26 巻 9 号 p. 630-635

詳細
抄録

安定同位体トレーサー法をアミノ酸代謝研究に導入する目的で, まず重水素標識L-フェニルアラニンを合成した。ベンズアルデヒド〔芳香環-d5〕を原料とし, アセチルグリシン縮合, 接触還元, アミノアシラーゼによるラセミ分割を経て, D-およびL-フェニルアラニン〔芳香環-d5〕をそれぞれ収率約18%で得た。ついで本品をGC-MSで測定するために, このエナミソメチルエステルを調製し, この重水素標識体と非標識体との間のMS.およびGCにおける同位体効果をしらべた。MSにおいては開裂彩式において同位体効果はなく, GCにおいては保持時間が標識体のほうが短いことが明らかとなった。

著者関連情報
© 社団法人 日本アイソトープ協会
前の記事 次の記事
feedback
Top