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198Au-コロイドおよび51Cr-クロム酸ナトリウムの鶏体内分布, 吸収ならびに排泄
柴田 浩十川 政典尾崎 敦小原 甚三
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1979 年 28 巻 10 号 p. 618-623

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抄録

鶏消化管における内容物輸送のマーカーとしての適否を明らかにするために, 198Au-コロイドおよび51Cr-クロム酸ナトリウムの鶏体内分布, 吸収ならびに排泄について比較検討した。経口投与した場合, 198Au-コロイドは消化管から吸収されず, すべてが屎として体外に排泄されたが, 51Crクロム酸ナトリウムはその一部が消化管から吸収され, 体内各臓器に分布した。静脈内注射した場合, 198Au-コロイドは消化管壁を通して消化管内に排泄されなかったが, 51Cr-クロム酸ナトリウムは排泄された。消化管粘膜への吸着は51Cr-クロム酸ナトリウムより198Au-コロイドのほうが少なかった。以上の結果から, 198Au-コロイドは鶏消化管における内容物輸送のマーカーとしてすぐれており, 51Cr-クロム酸ナトリウムはかなり劣るものと思われた。

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