1979 年 28 巻 4 号 p. 225-230
99mTC-HIDAの臨床応用を検討し, 各種肝胆道疾患130例について形能学的診断ならびにhepato-gramおよび血中残存率の測定等による機能的診断の両面からこれを追求した。形態学的診断では, 診断能の高いimageが得られたが, 血中ビリルビン濃度が4~6mg/dl以上の症例では肝摂取が悪く十分なimageが得られなかった。X線法やフィチン酸による検査結果と比較するとおのおの優劣はあるが, 短時間で検査ができ, 副作用がない本法は臨床応用価値が高いと言える。機能診断の面では, 胆嚢収縮機能の診断にはX線法より優れ, 肝機能診断にも生化学検査値のうち, ICG, 総ビリルビン, γGTP, Al.Paseと相関が認められ肝血流状態および閉塞性黄疸の診断的応用価値が確認された。