1979 年 28 巻 5 号 p. 291-294
亜鉛, 銅の比色定量試薬として知られているジンコンを陰イオン交換樹脂に保持させたzincon-loaded resinを調製し, 親銅元素を選択的に濃縮するための諸条件を検討した。zincon-loaded resinをカラム法で用いれば, 水溶液中の場合よりも低pH側で, 銅 (II) , 亜鉛 (II) , 水銀 (II) , 鉛 (II) と選択的にかつ化学量論的に反応することがわかった。さらにこれを河川水試料中の微量親銅元素を中性子放射化分析により定量するさいの予備濃縮に応用した。その結果, 渡良瀬川河川水中の銅含量は53ppb, 水銀は0.25ppbであった。