1979 年 28 巻 7 号 p. 419-424
3H, 14C, 32P, 137CS試料を用いて計数率の経時的変動を長時間にわたって測定した。また, マルチチャネル波高分析装置を用いて3H試料のβ線スペクトルを経時的に測定した。これらの結果からつぎの事柄がわかった。
(1) 計数率の異常変動は光電子増倍管 (PMT) ゲインが試料計数率に強く依存しているためである。
(2) 計数率の変動には場合によりヒステリシス特性が見られる。
(3) PMTゲインの計数率依存効果は実は見かけの計数率ではなく, アノード電流の変化に基づく現象として説明できる。
(4) 外部標準線源 (137Cs) チャネル比の測定がそれ自身大きな時間変動をもつほか, 他の試料測定に大きな影響を及ぼしている。