1979 年 28 巻 7 号 p. 441-446
一抗体RIA法により測定された血中TBG濃度は甲状腺機能亢進症では正常値で, 甲状腺機能低下症および妊娠の中期・後期では高値を示し, さらに, 正常機能とみられる慢性甲状腺炎においても有意の高値を示した。先天性TBG欠損症の一例ではTBGは検出されなかった。TBG値はT3U値と有意の負の相関を示し, また, 正常人および妊娠では血中T4値と有意の正の相関を示した。T4/TBG比は, 甲状腺機能亢進症および低下症の鑑別, ならびにTBG増多に伴う高T4血症の診断に有用であった。