RADIOISOTOPES
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散乱したMn Kα/KβX線強度比の散乱体依存性
高丸 伸之島 邦博梅谷 啓二三雲 昂
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1980 年 29 巻 10 号 p. 469-473

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抄録

55Feが放出するMn-KX線のように, X線散乱断面積のうちでコヒーレント散乱が支配的な10keV以下のエネルギーをもつX線を試料に照射して, 螢光X線分析を行うさい, 未知元素の放出するX線収量を, コヒーレント散乱したX線収量を基準にして規格化することは十分な注意を要する。未知元素が, 金属のように局所的に結晶構造をもつ試料の中に含まれている場合, コヒーレント散乱したX線が干渉し合うために, 散乱角すなわち試料と検出器の間の距離によって, 著しくその強度が変化することを実験的に確認した。

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