RADIOISOTOPES
Online ISSN : 1884-4111
Print ISSN : 0033-8303
ISSN-L : 0033-8303
フィッショントラック法による陶歯中のウランの分布状態について
清水 雅美野口 邦和森脇 一成西連寺 永康
著者情報
ジャーナル フリー

1980 年 29 巻 7 号 p. 326-331

詳細
抄録

われわれはこれまで, 日本国内に流通している内外の陶歯, 陶材について, その中に含まれるウラン等の放射性元素を定量し, このような材料を装着した場合の口腔組織の被曝線量の推定を行ってきた。今回は上顎前齢階について, フィッショントラック法を用いて, 0.19mmごとのウラン含量の唇, 口蓋的横断分布図を得た。その結果, アメリカ製のBioblendは, 全体に高ウラン濃度でかつ均一に分布していたが, 国産の3製品は比較的低濃度であり, また不均一な分布をしている傾向が認められた。陶歯断面に見られる色層間でウラン含量が非常に異なるなど, 大きな偏在があり, β線についての線量評価上さらに考慮を要する点があった。

著者関連情報
© 社団法人 日本アイソトープ協会
前の記事 次の記事
feedback
Top