RADIOISOTOPES
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14C標識miloxacinの雌ラットにおける吸収, 分布, 排泄および代謝
吉武 彬川原 一夫井沢 昭雄庄野 文章
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1980 年 29 巻 8 号 p. 377-381

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抄録

合成抗菌剤14C-miloxacin 50mg/kgを雌ラットに経口投与したときの吸収, 分布, 排泄および代謝について記載した。血清と組織中14C濃度は1~2時間後に最高に達し, 血清, 肝, 腎では高濃度約60μg/gを示し, 他の組織にも広く分布した。14C排泄は速やかで, 尿に約30%, 糞に約60%排泄された。血清や腎中の未変化体の濃度は高かった。尿糞中の主代謝体はmiloxacinのグルクロナイドと脱methoxy体M-1であった。他に5種類の代謝体が検出された。雄ラットとの違いは14C分布が, 雌のほうが1.2~1.6倍高かったこと, および雌のほうが, グルクロン酸抱合などの代謝能がやや低いと推測されたことであった。

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