RADIOISOTOPES
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診断用核種と3H-チミジンによる実験骨腫瘍のダブルトレーサオートラジオグラフィ
梅田 透松岡 理
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1982 年 31 巻 9 号 p. 463-468

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抄録

核医学診断でひろく用いられている99mTc-MDP (methylene diphosphonate) 67Ga-citrate (67Ga) , 201Tl-chloride (201Tl) の全身, および腫瘍への分布をマクロオートラジオグラフィにより検討した。個々の標識化合物の分布の性格を明らかにするために, 全身分布そして腫瘍の増殖パターンと密接な関連を示す3H-チミジンを同時投与し, 両核種の半減期と放射線のエネルギーの差の両方を同時利用したダブルトレーサ法により, 同一標本で個々の標識化合物の単独分市を求め比較した。結果は, 67Gaと201Tl標識化合物は腫瘍の周辺に分布し3H-チミジンの分布と一致したが, 67Gaの分布がより高度であった。99mTc-MDPの腫瘍への分布は, 前者とは逆に中心部にみられ3H-チミジンの分布と異なった。診断用標識化合物の分布の基礎的研究に有用と考えた。

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