1983 年 32 巻 1 号 p. 1-6
容積試料の計数効率を, エネルギーのみに依存する項と試料厚さのみに依存する項との積で表す従来の方法を発展させ, 後者に平行線束近似による自己吸収を含めた効率計算式を導いた。本法は, 高さを異にする一組の単一エネルギー基準γ容積線源 (たとえば137Cs水溶液) を用いて2個のパラメータを実験的に求め, 多核種点線源により得られた相対効率曲線と組み合わせることにより, 容易に実施できる利益を有している。
実際の環境試料を広くカバーする密度およびγ線エネルギーを有する各種の模擬試料をGe半導体スペクトロメータで測定した結果, 自己吸収に起因する誤差は十分に補正され, 実用となり得ることを示した。