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水試料中222Rnのポリエチレンビンに起因する損失の補正
斎藤 正明
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1983 年 32 巻 3 号 p. 109-112

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抄録

ポリエチレンビンの使用が原因となる地下水試料中222Rnの損失について検討した。ラドン濃度は液体シンチレーション計測によって測定された。試料のポリエチレンビン貯蔵時間に対してラドン濃度をプロットすると, 時間に対する濃度減少が観測された。このラドンの損失はポリエチレン表面への吸着現象によることが明らかとなった。ラドン濃度の減少量は一次反応に従い, みかけの速度定数はポリエチレン表面積と試料水量の逆数に比例した。比例定数はつぎのような温度の関数として表された。K=10200exp (-4382/T) cm・h-1。みかけの活性化エネルギーは36kJ・K-1・mol-1で物理吸着であることを物語っている。これらの関係から, ポリエチレンビンの使用によって測定されたラドン濃度の補正が可能となった。

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