1984 年 33 巻 3 号 p. 125-129
人工海水中における放射性亜鉛の陽イオン交換樹脂およびモンモリロナイトへの吸着挙動に及ぼす溶存アミノ酸の影響を調べた。
放射性亜鉛の吸着は亜鉛 (II) -アミノ酸錯体の安定度定数の大きさの順序に従って減少する傾向にある。しかし, アラニンが存在する場合には放射性亜鉛のモンモリロナイトへの吸着性は逆に増大した。この理由はZn2+イオンとアラニンとの配位結合に関与しないメチル基がモンモリロナイトの表面に存在する水酸基との間に相互作用をおこすためであろうと考えられる。