1984 年 33 巻 7 号 p. 431-436
大容量液体シンチレーション計数器の3H測定チャネルのバックグラウンド (BG) 計数率が, 試料の含水率0~50%の範囲で含水率とともに増加した。この現象は, BGγ線の入射によりシンチレータ内で発生したコンプトン電子のシンチレーションパルスがクエンチングの程度に応じてその波高値が低下し, 3Hチャネルへ移動するためであると説明できた。3Hチャネルの計数率は, 外部線源比 (ESCR) とほぼ直線関係が成立するので, この関係を用いて試料に対するより正しいBG計数率を求めることができ, その結果, 3Hの測定精度を向上させることができる。