RADIOISOTOPES
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海洋環境における放射性核種
―フォールアウトに起因する95Zr, 95Nbの分布と挙動―
大和 愛司宮河 直人宮永 尚武
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1984 年 33 巻 7 号 p. 449-455

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抄録

茨城県東海村沿岸海域で1974年~1982年の間, 採取した各種試料中の95Zr, 95Nbを継続して定量した。95Zr, 95Nb濃度は海藻中では核実験直後に急上昇するが, 両者の放射能比の経時変化は過渡平衡式にはあまり適合しないことが示された。海水ではその上昇は海藻より小さく, 海底土では変化はさらに小さかった。海水中濃度との比から海藻類の見かけの濃縮係数は95Zr, 95Nbに対しそれぞれ, カジメ・アラメで2110, 2150, ヒジキで700, 1230, ワカメで480, 570, フノリ・ツノマタで580, 810が観測最大値であった。

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