1994 年 43 巻 1 号 p. 9-14
虚血性心疾患7例において99mTc-tetrofosmin (PPN1011) 心筋SPECTの臨床的有用性を検討した。201Tlとの一致率は, 安静像で65%, 負荷像で75%と良好であったが, 下後壁についての一致率は低かった。冠動脈造影で有意狭窄を認めた領域の検出率は, 201Tl, 99mTc-tetrofosminともに78%であったが, 右冠動脈支配領域では, 99mTc-tetrofosminの方が検出率が高く, 下後壁の病変の描出に優れていると思われた。viability評価では, 201Tl, 99mTc-tetrofosminともに過小評価群があった。99mTc-tetrofosminは, 虚血性心疾患における心筋血流の評価に有用と思われた。