1995 年 44 巻 6 号 p. 373-378
SF6を増感剤としてCO2レーザー照射によりUF6気体を分解し, 粒径が1μmよりはるかに小さいUF5微粒子を調製した。高分解能シリコン半導体検出器を用いて, 直接そのUF5微粒子から放出されるα線を計測することにより, U-235とU-238との同位体比を測定した。粒子径が非常に小さいたあに, α線エネルギーの自己吸収の影響は小さく, U-238とU-235およびU-234のそれぞれのピークは明瞭に分離された。そのピーク幅はU3O8標準線源のそれのわずか2.5倍程度であった。天然UF6から調製したUF5粒子のU-235/U-238同位体比測定値は, 4%以内の誤差で正確であった。このことは, 分子法レーザーウラン濃縮における生成物UF5の濃縮度をα線計測によりオンラインで測定できることを示唆する。