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60Coの脱離挙動に及ぼす土壌のpH緩衝作用の影響
田中 忠夫村岡 進
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1996 年 45 巻 12 号 p. 753-760

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抄録

土壌に吸着した放射性核種の脱離挙動に及ぼす土壌のpH緩衝作用の影響を明らかにするため, 60Coをあらかじめ吸着させた海岸砂と, pHを4, 7あるいは10に調節した水溶液とを接触させるバッチ法脱離実験を実施した。
水溶液のpHが高くなるに従って, 60Coの脱離率は低下するが, 非陽イオン性60Co化学種の存在割合は増加することが確認された。水溶液のpHと60Coの脱離率との関係は, 砂表面の負電荷密度のpH依存性から理解できた。水溶液中に存在する非陽イオン性60Co化学種は, 緩衝pHでの60Co2+の加水分解により形成されるコロイド状の {60Co (OH) 2} nであることを示した。

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© 社団法人 日本アイソトープ協会
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